good by juvenile

それでも青春は続く

バリ島日記②

 ホテルにチェックインして、街へ繰り出す。バリの日差しは鋭くて、ほんとうに眩しい。暑い。ジリジリする。そしてお香のような、花の香りが街中に漂っているのだ。その国独特の匂いというものがあって、それを嗅ぐと「異国に来たのだな」と思わせる。

 大きいバックパックを背負った外国人観光客(白人が多い)とそれをターゲットにしたタクシーでごった返していて、ものすごい活気だ。道の両脇にはTシャツやサンダルやサングラスを売っている店がならんでいて(ものすごい品揃え)、気だるそうに店番をしている。気だるそう、というのは、目が合うと「よってきなよ」というような素振りをみせるけど、「ノー、ノー、買わないよ」と断ると「あっ、そ。」とすぐに引き下がるというよな、穏やかな、という程度の意味だ。ガツガツしていない。金を少しでも稼ごう、という熱気はなくて、遊んでいるついでに仕事をしておこう、というようなイメージだ。そういう風土のせいか、ところどころ歩道が陥没している。もうずっと穴が開いている様子で、それを直す気もなさそうである。ぼんやりしていると穴に落ちるので、うっかりしていられない。ある意味スリリングだ。

 腹が空いたので、適当なイタリアンレストランに入る。メニューをみて驚愕。何が書いてあるかさっぱりわからない。かろうじて「パスタ」と「ピッザ」を解読できたので、パスタメニューの一番左上の料理を注文。困ったときは左上のメニューである。ラーメン屋の食券だって左上にその店のオススメを配置していることが多い(とテレビでやってました)。ええい、ままよ!・・・普通のパスタがきました。よかった。

 ショッピングモールを目指してクタビーチを歩く。日光浴をする人たち、ビールをひたすら飲む人たち、飲み物を売り歩く人たち、ウミガメの保護を訴える人たち、散歩をする人たちがごちゃごちゃいるのに、とても静か。なんども言ってしまうが穏やかだ。誰もしつこくないし、誰も無理していないような雰囲気。バイクですら人混みをなんともない風にすり抜けていく。バリ島にハマる人の気持ちがわかる気がした。クタビーチをクタクタになるまで(駄洒落です)歩いて、もう駄目だ、と思った矢先にショッピングモールに辿り着く。サンダルなどをウンウン言いながら漁って、「『そごう』が入っているようなところはやっぱり高い!」と騒いでいた。

 

つづく