good by juvenile

それでも青春は続く

【二次創作】Detroit Become Human -Day After Revolution-

「死んだ人間を生き返らせる?いい加減なことを言うな!」

 コナーの怒号が警察署に響き渡る。

「まあまあ、コナー捜査官、落ち着いてください」

 隣りにいた黒人警察官がコナーを宥めようと、肩に触れた。

「あいつは今、死者を、彼を侮辱したんだぞ!」

 コナーの目の前に座っているのはアンドロイドの開発者、カムスキーである。先のアンドロイドの騒動―アンドロイドが自由を求めて決起した―について事情聴取が行われていた。世間的には騒動が沈静化し、アンドロイド達に一時的な自由が認められる雰囲気が醸成されていたが、アンドロイドの行動により人間側にも、アンドロイド側にも少なくない血が流れた。その責任を誰かが取らねばならなかった。その重要参考人としてカムスキー氏が聴取されることとなったのである。

「それより聞きたいのだが・・・コナー、君はもう捜査官ではないのでは?なぜここにいる?」

「質問をしているのはこっちだ」

「ほう、実に感情的になったものだ。私のクロエを撃った君とは思えないよ。変異体とは実に興味深い」

 コナーは先の騒動の中、自らが変異体―プログラムから開放され、人格を持ったアンドロイド―になり、アンドロイド解放運動の指導者マーカスと行動を共にした。人間側から見れば裏切り者、あるいはテロリストと呼ばれても過言ではない。自身も重要参考人となっているものの、彼が捜査官としての資格を剥奪されていないのには2つ理由がある。一つはアンドロイドが人格や感情を持ち、自らを新たな知的生命体としてその地位を勝取った歴史上初の出来事に、世間が比較的寛容な態度を見せていたこと。二つ目は、騒動の早期原因究明が求められていたし、なにより人間たちはこの新しい知的生命体のことを知りたがったからだ。

「私は正規の捜査官としてここにいて、あなたに質問をしています。先程おっしゃった、『死んだ人間を生き返らせる』とはどういう意味です?」

「言葉どおりさ。アンドロイドが生体データを他の個体に転送することが可能なのは知っているね?生体データ、まあ、記憶と呼んでも構わない。機能を停止しようとしている個体の記憶を移し替えるだけでアンドロイドは生き返ることができる。それを人間でやろうというだけだよ」

「つまりだ、コナー。君やハンクを知るアンドロイド達のメモリにある、彼の記憶を吸い出して、人格データを再構成する。そいつをアンドロイドに転送してやるんだ。もちろん完全にとは行かないがね」

コナーは目を見開いた。「まさか」

「私が嘘をついたか?非常口だって本当にあっただろう?」