good by juvenile

それでも青春は続く

バリ島日記③

 朝からバクバク食べる。何回もおかわりをして、胃袋か頭がおかしくなったかのように、これでもかと食べた。あまりにも食べるのでY氏からは「日本にいる時と人格が違う」と言われてしまった。同じじゃ!

 バリの飯は旨い。東南アジア特有の妙な香辛料や香草はほとんど入っていなくて、ほんとうに美味しい焼き飯って感じだナシゴレン。現地語で「ナシ」は「ご飯」、「ゴレン」は「ごちゃまぜ」という意味。ちなみに「ミー」は「麺」なので、ミー・ゴレンはごちゃまぜ麺(焼きそば)だ。バリにいるとだいたいナシゴレンかミーゴレンが出てくる。チキンとかビーフとか、ごちゃまぜ飯にのせる具材はたくさんあるので、フードコートにいくと非常に迷う。

 朝食と一緒に、部屋から持ちだしたビールを飲んでいたら、現地の男に「アサからビール!?スゴイねえ!」と日本語で驚かれた。その後、今日の予定はあるか?俺の車をチャーターしないか?と売り込みがはじまったのは言うまでもない。ツーリスト相手の仕事をする現地人はたいてい日本語ができるので、英語ができなくても過ごしやすい。たいていはボッタクリだけど。

  ダイビングのツアーに参加する。生まれて初めてのダイビング!酸素ボンベとウェイトを装着して、海に沈む。熱帯魚が目の前を横切り、イソギンチャクの間からはカクレクマノミが顔を出していた。その様子をガンガン写真に収めようとするインストラクタ。良い画を撮ろうとして、ここでピースしろ、もっと下に潜れ、もっとくっつけ、さあ手をふってこいと、海中であれこれ指示を出してくる。ゆっくり泳がせてくれ!

 1時間ほどでダイビング(撮影会?)が終了。ドッと疲れる。海の家(ほんとうに「海の家」と書いてある)で休んでいたら、パソコンを持った現地の少年がやってきて、さっき撮ったダイビングの写真を動画にしたからみてくれ、気に入ったら買ってくれ、と販促。抜かりないなあ。動画の中の僕らは、とても優雅に海を泳ぎ、魚と戯れ、楽しそうにピースをしていた。今思えば、確かに優雅で楽しい時間だったけど、潜っている最中は必死(想像以上に難しい)なので、自己イメージとのギャップに笑う。400,000ルピア(約4000円)で購入。帰国後、友人に解説を加えながらこの動画をみせていたら漫画のように腹を抱えて笑われた。笑いのネタになってしまった優雅なダイビング・・・。

 夕食はクマンギレストランへ。食事をしながら、伝統舞踊であるレゴンダンスを楽しむ。公演中にY氏が「もし、舞台に上がれるようなら踊ってきてね」と突然言い出すので、「そんなもの無いと思うけど、チャンスがあれば踊るよ」と適当に答えておいた。これがいけなかった!そろそろ終幕か、というところで「さあみなさんもご一緒に」と観客を舞台に誘っているじゃないか。僕らのテーブルにもお誘いがやってきて、しぶしぶ前へ出る。いや、しぶしぶというのは嘘で、ノリノリでステージに上った。ベロベロに酔っていたし(言い訳)、ハプニングは思い出になるし(言い訳)、とにかく意気揚々とステージへいき、見よう見まねのレゴンダンスを披露した(もちろん演者の後ろで数人のお客さんが踊っていただけです。)。戻ってきて、「君、楽しそうだったよ」と指摘され、何も言えず。ハレだなあ!

 

つづく