good by juvenile

それでも青春は続く

嫉妬の哲学

 唐突だけれど、現在、僕には恋人がいません。だから恋人がいる友人と会ったりすると「お前はいいよな~彼女がいてさ〜」などとついつい茶々を入れてしまいます。有り体に言ってしまえば「嫉妬」です。しかし、考えてみれば嫉妬というのは恥ずかしいものです。それを恥ずかしげもなく、相手にぶつけてしまう。すこし不思議な感じです。だから、僕は考えました。「ああ、これは相手に甘えているのだな」と。

 「彼女居るのかよ!羨ましいな!ちくしょう!えっ、最近仲が悪い?ははは、ざまあみろ!ははは」、くらいは平気で言います。でもこれは、僕に恋人が居ない、つまり相手よりも、謂わば”恵まれない”人間だから言ってしまえるのです。どんなに吠えたとしても所詮は負け犬の遠吠え。「彼女居ないくせに!バーカ!」と返されてしまえば、もう言い返す言葉が見つかりません。絶対的に劣った立場にいるわけです。

 じゃあ、何故こんなに惨めで自分を追い込むような言動をするのか。それは、相手のことが好きだからに他なりません。甘えているのです。犬や猫がお腹を見せるあの感じに似ていますね。仮に嫌いな相手であれば、弱みを見せたくないので平然とした態度でいることでしょう。

 友人らと飲んだ際は、往々にしてこの「恋人いる/いない問題」が話題に上がります。その時、恋人の居ない寂しい奴らはキャンキャン吠えるでしょう。でもそれは、あなたのことが好きだからそうしているものだと推測されます。ああ、弱みを見せてくれているな、甘えてんだな、可愛い奴だなくらいに思ってやってください。どうかお願いします。