good by juvenile

それでも青春は続く

芸術階級の話をフィギュアにも当てはめてみた

せっかく昨日の記事をブログにあげたので、自分なりに解釈しつつ、発展させてみた。

 
 かつての階級システムが転化して芸術階級システムが構築され、それは
【1】天才 
【2】デザイナ 
【3】職人
と区別されるようになった。芸術スポーツのフィギュアスケートにも当てはめてみた。
 
 そうすると、天才のグループに属するのは浅田真央キム・ヨナである。これは間違いない。次にデザイナのグループに属するのは、A・レオノワ鈴木明子、E・ゲデバニシビリ。職人のグループに属するのは安藤美姫である。
 
 天才のグループ。これは言わずもがな。比較的古典の音楽を使う傾向にあり、極めてフィギュアスケートらしい演技をする。浅田真央に象徴的だ。
 では、デザイナのグループとは何か。それはつまり、非常にキャッチィな音楽と楽しい演技で観客を魅了するパフォーマの選手たちのことである。万人受けするようデザインされた演技をするから、デザイナに属してもらった。
 次に職人のグループ。これは技巧派スケータの事である。技巧派は所謂天才的なスケーティングはできない。しかし努力と根性と執念によって、レベルの高い技を丹念に磨き上げる。だから職人に属してもらった。例えるなら安藤美姫の4回転ジャンプ、中野友加里のスピンがそれにあたる。
 
 ここで注意しなければならないのがキム・ヨナの存在だ。彼女が演技で使用する曲は映画「007」からの引用曲という、非常にキャッチィな音楽である。そして「ボンドガール」という象徴的なキャラクタを構築している。この2つをとってみると、非常に商業的、デザイナ的なスタイルをとっていることがわかる。【1】に属しながら、【2】のスタイルをとるのだ。これは昨日の記事にて、森川氏の発言「純粋芸術家がデザイナの領域に介入」することに繋がる。芸術のあり方、その地位の存在を変革させる動きは絵画、音楽等の伝統的な芸術の分野にとどまらず、スポーツ芸術の分野でも起こりつつあることの証明ではなかろうか。キム・ヨナのスタイルがフィギュアスケートという芸術に新たなステップを踏ませようとしている。
 
参照記事 シンポジウム「マンガとアートが出会うとき」(2月3日開催)]