good by juvenile

それでも青春は続く

読書会とおざ研

 ライターのゆりいか氏が主催する読書会に参加してきた。

 台風が接近中でものすごい雨の中、開催場所の尾崎教育研究所という怪しげな名前のお店(?)まで、新大久保駅から歩く。

 おざ研と呼ばれるその場所はアパートの一室にちいさなバーカウンタとパイプ椅子が設けられた本当にこじんまりとした場所で、小難しそうな本や漫画やゲームが所狭しと置かれていて「ザ・研究所だ!っていうか部室だ!」という感じ。お酒は飲めるけど決してバーというわけではなく、本や漫画やゲームが大好きな酒豪の先輩の家に遊びに行って、そこにある酒をちょっとだけもらいながら、本や漫画やゲームの話をするような場所だ。先輩の家にお邪魔するからお土産を持って行ったり、こころばかりのカンパをしたりして、あとはその場にあるお菓子とか飲み物を適当にやりながらみんなで遊んでいられる、そんなシステムらしい。わたしが「失礼があっちゃいけない」と買っていったお菓子とか飲み物はマスターの「ああ、ありがとね」と風のような一言で部屋のどこかに持ち去られ、気付いたらその場に居た人たちの前に出されていた。ほんの少し戸惑うけれど、体育会系じゃない場所って久しぶりだ。不思議な懐かしさがこみ上げてきて、ここに来てよかったな、ずっといたいな、と思った。

 話は変わるけど、読書会に来る人ってみんな饒舌でそれに似合うだけの博識だ。小説の話なのに「実存主義」とか「パワーオブテン」とか、聞いたことあるけどよく知らない単語が飛び交う。このシーンは誰の視点から描かれているのか、とかを議論している。こういう風に書くとアホみたいにみえるけど、滅茶苦茶真剣だ。真剣だけど終始和やかなのは、やっぱりあの場所の居心地の良さのおかげなのだろうと思うのだった。

 

【参考】

・HP 尾崎教育研究所(おざ研)

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・マスター